THE GATES OF DELIRIUM。/田中宏輔
仮想空間計画』34、大島 豊訳)
そのひと言でぼくの精神状態はもちろん、あたりの風景までが一変した。
(カブレラ=インファンテ『亡き王子のためのハバーナ』女戦死(アマゾネス)、木村榮一訳)
こういった考察を、『マールボロ。』は、詩人にさせたのだが、『マールボロ。』をつくったときの友人とは別の友人に、あるとき、詩人は、つぎのように言われたという。「言葉に囚われているのは、結局のところ、自分に囚われているにひとしい。」と。そう言われて、ようやく、詩人は、『マールボロ。』をつくったときに、自分の友人を傷つけたことに、その友人のこころを傷つけたことに気がついたのだという。
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