THE GATES OF DELIRIUM。/田中宏輔
たということであるが、それでは、はたして、それらの言葉の前で、人間の方が入れ替わっていたという、このことが、他の言葉とともに並び替えさせられたことに比べて、いったいどれぐらいの割合で、それらの言葉の意味の拡張や変化といったものに寄与したのであろうか? しかし、そもそものところ、そのようなことを言ってやることなどできるのであろうか? できやしないであろう。というのも、そういった比較をするためには、人間が入れ替わらずに、それらの言葉が、『マールボロ。』という詩のなかで配置されているように配置される可能性を考えなければならないのであるが、そのようなことが起こる可能性は、ほとんどないと思われるからである。
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