冬の思い出/山人
 
量の雪が入った。
 家に着く頃には足の感覚が消え入るように無くなり、母はたらいに湯を入れ私の足を浸した。たちまち激痛が走った。それを我慢していると次第に常温となり軽い凍傷が改善されていくのだった。
 土曜の夜はしかし、大御馳走が私を待っていた。父が捕ってきたウサギ鍋だ。ウサギの骨や肉をダイナミックに白菜とともに煮込んだ野趣あふれる料理で、こと骨に付いた肉や頭蓋骨が美味く、骨の髄や脳味噌もコクがあってとても美味い代物だった。
 当時、蛍光灯やテレビもない頃だった。夜になれば疲れて泥のように眠ってしまったのだろう。
 日曜日、晴れれば開拓部落の子供たちとともに雪のトンネルや簡易的なスキーなどで
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