一万光年の彼方に/鏡文志
 
ルの中で押し止まらせ、自分たちを好ましき循環の中で存続せしめるための知恵なのです。幼稚かつ未熟なる野蛮精神はこれに退屈と愚かを見て目新しきと面白味の中に愉快犯的な加虐を加え続けます。良識や道徳の中に生きてそれを守り続けることに正義や活路、生きる喜びを見出せない人々。この種の人々は初心を嫌うし、純粋も嫌い、世の中のありとあらゆる尊敬の対象を内心見下してしまうという性格を持っております。忠誠心であり忠義真がない以上、同じもの同じ人に使えたり、同じ人の言いつけやお話、作品に触れ続け、愛し続けることは出来ずに、目新しきを追い続けるより他はないでしょう。暑苦しきを嫌い、涼しきを良しとするクールが猫のような瞳
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