still hate/中田満帆
 

 もう気にかけなくていいよという
 かの女はきっとぼくを欲しがったりはしない
 通りに置きざられた車のなかでいま、
 毀れたシンセからのリフレインがしてる
 土鳩が羽を休め、猫が駐車場へ消える
 そして審判が下される、
 19日も仕事をしなかった罪で
 労働はたえまない自我の放棄でしかないのに
 ぼくは意識のなかでもがく
 他人がじぶんと重ならないように
 じぶんが他人と重なってしまわないように
 でもそれは恥ずかしいこと
 みながみな他人とじぶんを重ねたがり、較べたがる
 ぼくはもうそんなことには厭いてしまって、
 とにかくあそこから逃げだしてきたんだ
 モッキ
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