熊のフリー・ハグ。/田中宏輔
買っておけばよかったな、などと
朝、思ったからかもしれない。
いや、もしかしたら、いま付き合ってる恋人に対して、
そう感じてるからかもしれない。
どこまで重たくなるんやろうかって。
へんな意味ではなくて
いい意味で。
ケンコバの夢を見た。
ケンコバといっしょに
無印良品の店に
鉛筆を買いに行く夢を見た。
けっきょく買わなかったのだけれど
鉛筆の書き味を試したりした。
帰りに、その店の出入り口のところで
「おれの頭の匂いをかいでみぃ。」とケンコバに言われて
かいでみたけれど、ふつうに、頭のにおいがして
そんなに不快やなかったけど
ちょっ
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