存在の下痢。/田中宏輔
うかさ
存在は下痢
なのね
あ
ぼくのいま住んでるマンションで
もう一年以上も前のことになるのだけど
真夜中のものすごい「アヘ声」に目を覚まさせられたことがあって
それから
それが数分間もつづいたので
よけいに驚かされたのだけれど
個人的な経験という回路をめぐらせる詩句について
あるいは
そういった詩句の創出について考察できないか考えた
語感がひとによって違うように
どの詩句で
それが起こるのかわからない
偶然の賜物なのだろうか
書くほうにとっても
読むほうにとっても
死んだ父親に横腹をコチョコチョされて
目が覚めたのが
朝の3時46分
寝たの
[次のページ]
戻る 編 削 Point(11)