存在の下痢。/田中宏輔
たのが
1時頃だから
3時間弱の睡眠
あと
いままで寝床で
目を覚ましながら横になっていた
dioの印刷が終わったあと
百万遍にある、リンゴという
ビートルズの曲しかかからない店で
食事をしながらお酒を飲んで
打ち上げをしていたのだけれど
そのときに着ていた服が
父親の形見のコートだったので
「このコート
死んだ父親のなんだよね」って言って
「父親の死んだのって
今年の平成19年4月19日だったから
逝くよ
逝く
なんだよね」って言うと
斎藤さんが
「わたしの誕生日も4月19日なんです」
って言うから
びっくりして
「ごめんね
気を悪くさせるようなこと言って」
ってあやまったんだけど
まあ
彼女もべつに機嫌を悪くするわけでもなく
ふつうにしていてくれたから
ぼくも気がやすまって
そのこと忘れていたんだけど
きのう
詩集の校正を書肆山田に送ることができたので
河原町六角にある日知(にち)庵(あん)に行って
その話をして
酔っ払って帰ってきたから
そんな夢を見たのかもしれない
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