日記(血、生活、光、・・・)/由比良 倖
いるだけなんじゃないかと、つまりは僕は怯えていて、ただブクブクの泡の中で浮上しようと藻掻いているだけで、何ひとつ形づくれず、統合出来ず、かと言って拡散も分裂も出来ず、ただ骨格の無い不定形なものとして、口らしきもの、指らしきもので、書いているんじゃなくて、ぱくぱく空気を吐き出しているだけのような気がして。弱い弱い崩れそうで負けそうな気持ちがあって。それなのにヘッドホンの中で歌うルー・リードは美しくて。生きていて。年代もののキーボードを打つ感触はたしかで。
信じたい。自分を委ねるのではなく、届かないものに手を伸ばし続ける気持ちで。求め続ける痺れの感覚、痺れの中での確かな感覚、意識、意志や指先の確か
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