日記(血、生活、光、・・・)/由比良 倖
 
になったし、本当の僕の言葉とは、僕の心の中から発せられる愛情の光のようなものなんだと思うようになった。そのとき僕は僕であり、同時に僕を超えている。
 それにしても。音楽を愛し続けていたい。言葉を、美しいものを愛し続けていたい。目に映る全てに惹き付けられていたい。それなのにまた、夜遅く帰ってきた父が、今夜はどんな軽口を叩くのか、どうやって死にたさの隙を縫って心の熱を守ろうか、守れるのか、僕は自分のホームに戻れるのか、カントリーとランドとハウスはあっても、ユニバースとワールドとホームは見付からないこの世界で、どれだけ堅固な世界観を打ち立てて、心地よいファジーなリズムに乗ろうとも、僕は実は落下している
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