日記(血、生活、光、・・・)/由比良 倖
 
いる人たちを愛し抜くこと、そして生きてる本や音楽を守り抜くこと、生きている言葉や音楽に残り続けて欲しいと願うこと。それが僕の生きている、もしかしたらたったひとつの意味かもしれない。負けそうだけど、生きている限りは、僕は敗者ではない。

 言葉に自分の血を込められれば。大好きな音楽を聴きながら、大好きな透明軸の万年筆に、花の名前のインクを入れて書いている。それから、四年間使い続けて、少しガタが来かけているキーボード。アルメニアペーパー(イタリアのお香)、何となく「異次元の花」という語感に漂う紫の匂いが混じった、ゲランの「ラ プティット ローブ ノワール」、それから純粋に懐かしくて買ったシャネルの
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