日記(血、生活、光、・・・)/由比良 倖
ずにはいられない。死は素晴らしいものだ。それは例え引き籠もっていても、この一瞬を、もし僕が一瞬でも気を抜いていたら出会えなかった、特別な一瞬にしてくれるからだ。永遠に生きられるなら、何度でも出会えるであろう瞬間に、人はみんな飽きてしまうだろう。たとえ一秒後に死んでもいい。今この瞬間の僕が目覚めているならば。この一瞬が特別なものであるならば。
それなのに僕は反逆しない。みんなの傷口を開いて回るようなことはしない。僕は彼らのぼんやりに飲まれていく。窒息気味だ。多勢に無勢だ。太宰治じゃないけど、僕はこれでも戦っている。僕はみんなにきらきらした生を生きて欲しいと願っている。けれどそう言うと「人それ
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