雨の中で/ホロウ・シカエルボク
 
でぶっ壊されたのだ、雨風に強い、という謳い文句の一品だったのに、別にタイミングが悪かっただけと言えばだけなのだけど、それからもう六年くらいは経っている、別に二度とするつもりはないというわけでもないし、いつか突然また始めるかもしれない、ただそんなことがあったというのを今まで忘れていただけなのだ、人間は本当の意味で、瞬間を生きることしか出来ない、ただそうして生きていく中で積み重ねられた様々な体験、記憶が、その時々の意味を変えていくだけなのだ、時を基準に考えるなら、毎日なんてものにまるで意味はない、俺が今何について話しているかわかるかい、要は、意味だのなんだのは、そこに放り込まれて生きているひとりひとり
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