雨の中で/ホロウ・シカエルボク
とりの人間次第だということさ、それは今この瞬間に意味を持たせるだけじゃない、過去に通り過ぎて来た様々な出来事も意味を変え続けるということだ、つまり、それが俺であるとすれば、俺の過去、俺の今に、確固たるものなど何も無いということなのさ、抽象画のようなものだ、知識や経験、感性なんかで見る者によってまるで違う印象になるだろう、またそれを思い返し、改めて熟考してみるかどうかによって、さらにその差は広がっていくはずだ、絵はただ、そこにあるだけなんだ、それがどういうものなのかを決めるのは、その前を通り過ぎたひとりひとりの人間なのさ、俺は思考することを好む、ひとつの出来事にいくつもの答えを持たなければ、一歩も先
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