生きるのって苦しいばかりなんだろうか?/由比良 倖
 
来れば楽に死ねるのが夢。いろいろこんがらがっているけれど、特に一番の悩みは、卑小で現実的で、つまり、僕にはもう、何も書ける気がしないということ。

 (急に仄かに明るくなるけれど)それでもまだ、生きている限りは、自分を高めて行きたいと思うんだ。このままじゃ嫌だ、って。脳神経じゃなくて、身体中の細胞に意地があるような感覚。あるいは僕の身体と共生しているミトコンドリアが悲鳴を上げてるのかも。頭では死ねばいいって思っているんだけどね。キーを叩く指先が、もっと書きたくて疼いたりとか。やっぱり音楽は感情すら超えて美しいし、本をもっと読みたい。父の期待からは外れるけれど、英語もフランス語もやりたいなあって
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