ナレーション魂?/鏡文志
 
たちが病気にした世間的後ろめたさから徐々にそれを黙認。加担さえするように。父親は頭のいかれた左翼で、母親も世間主義のヒステリッククレイジーママ。救いようのない家庭に一人だけ全体を俯瞰し、見ている私と言う人間が生まれた。ナレーション力を持った不思議な子供。幼い頃から不思議と言われ可愛がられる。そこにはいじめのような、可愛がりも含まれ、愛情といたぶりの両方を受けて育つ。私の身の上話を聞いて人々が釈然としないのは、私が自身の上に起きた不幸をケロンとした顔で語るからかも知れない。冷静に正しく語ろうと努める。その健康美を含んだものは、不幸者の姿に相応しくない。すると同情は生まれない。味方もつかない。このサイ
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