もうね、あなたね、現実の方が、あなたから逃げていくっていうのよ。/田中宏輔
 
ませんね。」
「ジェイムズ・メリルは
 ウィジャ盤ね。」
「あの詩の構造ってすごいですよね。
 ウィジャ盤を出せば
 なんでもありじゃないですか?
 なんでも出せる。」
「そうそう。
 イーフレイムも
 最後の巻で
 ガブリエルだってわかるしね。
 すごい仕掛けだよね。
 ぼくもそんな仕掛けの詩集がつくりたいなあ。
 もう
 なんでもありなの。」
「すでにやってるじゃないですか?」
「えっ?
 そうお?
 そうかなあ。
 でもさ
 ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ読んでさ
 パウンドやジェイムズ・メリル読んだらさ
 ほんとに、もう
 なんだったってい
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