喪失というものにかたちがあるとしたら/ホロウ・シカエルボク
 
午前なのではないかと思った、個人で営業している病院なのかもしれない、と思った、それなら深夜は誰も居ないことだってあるだろう、入院というものをしたことがないのでよくわからないけれど、それならそれで、夜が明けるのを待ってみればいい、誰が俺をここに連れて来てくれたのか、ここはどこなのか、俺自身にいったい何が起こったのか、この身体はもう一度動くことになるのか、訊きたいことは山ほどあった、早くすべてを知って落ち着きたかった、が、朝になろうと夜になろうと、そこに誰一人現れることはなかった、いったいどうなっているんだ、始めは誰も居ないのかと思った、しかし、眠っている間に包帯や点滴は取り替えられ、眠る姿勢も変えら
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