大雑把なルーレットの上の夜/ホロウ・シカエルボク
 
も補給しているはずだ、夕飯は―取った、それにしたって数時間は前だ―眠っていたのか?キッチンに腰を下ろす前はなにをしていた?寝床に居た記憶はなかった、でも、寝床に居なかった記憶もなかった、おそらくは眠っていたのだろう、そう結論付けるしかなかった、そしてその結論は、そこにあってもなくてもどちらでもよかった、身体の中を落ちていく水ほどに現実感を持ってはいなかった、眠っていて起きたからなのかもしれない、まだ身体が目覚めていないのだ、だから上手く思い出せないのだろう、俺はそういう、普通に行われることに関して凄く時間がかかることがある、理解出来ないのだ、その―動作やなんかに対する当然という感覚が―昔はそんなこ
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