数式の庭。原型その2/田中宏輔
 
るかのように。
無限に大きな数などというものを数として受け入れない立場からすると
では、無限という概念を、どう定義するのか。
定義できないのである。
そして、従来からある無限の定義を受け入れないことには
幾何も代数も完全に放棄しなければならないことになるのである。
こころのどこかが抵抗しつづけているのである。
無限に。


*


数にも履歴があるとする。
つまり演算の痕跡があるとするのである。
とすれば、どれだけの痕跡があり
履歴が生ずるのか
想像するにおびただしい数であろう。
さまざまな演算子で
さまざまな数式に用いられた痕跡が
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