数式の庭。原型その2/田中宏輔
跡が
わが目で見られるというのだ。
まるで言語のように。
このとき
言語と同じように
異なるフェイズとアスペクトをもって
その痕跡も見られるということであるのならば
履歴が、見るひとによって
異なるものとなるということである。
言葉が
読む人のファイズとアスペクトで
まったく異なる意味をもつように。
数が経験してきたさまざまの演算と数式
そのおびただしい体験と経験について考えると
これまで言葉が体験してきたもの
これまで言葉が経験したきたさまざまなものをも思い起こさせた。
そうだ。
言葉が体験し、経験したのだ。
わたしたちが体
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