数式の庭。原型その2/田中宏輔
 
を詩人に変え
詩人の一部を場所に変え、場所の一部を詩人に変え
詩人の一部を出来事に変え、出来事の一部を詩人に変え
青年の一部を時間に変え、時間の一部を青年に変え
青年の一部を場所に変え、場所の一部を青年に変え
青年の一部を出来事に変え、出来事の一部を青年に変え
そうして、詩人の一部はその青年となり、その青年の一部は詩人となり
その年の一部は詩人となり、詩人の一部がその青年となったのであろう。
そのとき、人はその青年を呼吸し、その青年は詩人を呼吸していたのであろう。
音声による言葉の意味概念の想起は
詩人が書いていたように、
音声による「なめらかさ」といっ
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