数式の庭。原型その2/田中宏輔
 

わたしは触感である。
ダイヤブロックを組み合わせ、いろいろなものを模したものをこしらる。
あるいは、なにものにも似ないものをこしらえる。
わたしはダイヤブロックを出現させる。
わたしはダイヤブロックそのものにもなる。
このとき、わたしはわたしの目をつくる。
わたしの視線をつくり、わたしの頭をつくり、
わたしの手をつくり、わたしの触感をつくる。

わたしは記号である。
わたしは数と数を結びつける。
わたしは数を出現させる。
わたしは数そのものにもなる。
このとき、わたしは記号をつくる。
わたしは思いつきである。
発想である。
計画であ
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