数式の庭。原型その2/田中宏輔
明らかに後代になってつくられた数や数的なもの、記号や記号的なものがあるのだけれど、まったくの原初においては、どうだったのであろう。
これは、語がさきか(もちろん、最初は文字言語ではなく音声だろうけれど)、語法がさきか、という問題に似ている。単純に、語がさきであると断定してよいのであろうか。原初においても、語法的な欲求がさきにあって、のちに語がつくられた可能性はないであろうか。語法と語法的な欲求は違うものであろうか。もちろん、語法と語法的な欲求を混同してはならないと思うのだが、語法的な欲求とでも呼ぶしかないものがあるような気がして、語法的な欲求という言葉でしかあらわせないものがあって、そ
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