エクリチュールの仮面/あらい
 
いまもなお、見える客と 
経った店員の間に白いフィルムを刻む
縫い合わせた果実は 無言の
「ママ。覗き込んでいる」

自称老執事の眼球であるなら

生産は会話で 順番待ちは 対象物から、まぢわり
       風采は寝転んでいる、一軒家を嘱し
      向き合う生花は靴音の、線が引かれる
    窪みに礼拝 己だけの枯れたカーニバルが
      気道しない寓話だ、拭うように、大抵
誰も知られない代理者たちのポケットに羽根が企む


   「あなたはともにおられるからです」
   袋詰めされた錯覚を 起こさせるほど
 (濃厚なうれいが 近づく 気配を招かない)
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