コバルトのヒツジの瞳/あらい
 
元でささやく(、木の皮の寄り縋る ネオン管がネバつく。)ミントのピストルを喉仏に構える。(断続的な目玉焼きの真っ白なパレットに戻されては)。身体中をめぐるように なんの意志も保たない。ぎこちない振る舞いに思えたものだ。

 だれかの青ざめたマッチをすり覗く。なにもかもがあの陽 黒ずんだ蝶の翅が机上ではひかりが反射するため、航海図と目指す匂いに雑じる。海から山に、谷にも形を変えて、不規則に折れたどこかで逆らうように生まれ逝き 総てのものを一瞬で交尾する。
 かすかに例えるなら、腐った船の上で 混ざりあって手にしたいとおもうものが その記録を素描したものだ。それはまたほつれた帆と惰性、深淵を蹴散
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