狭間/ホロウ・シカエルボク
ついて語るのはまたの機会にするよ、今日はそういう気分じゃない、そう、ほんの少しの視線の違いなんだ、簡単にそう言っておくことにするよ、簡単に言おうが詳細に説明しようが、分からないやつは分からないものだからね、もう俺は説明の必要性を感じなくなったんだ、一時期試してみた上での結果だけどね―ステージの違いっていうものがあるじゃない?分からないやつが分かるやつのステージに上がって来るなんて無理なことなんだ、だって自分自身の有様についての覚悟が違うんだから…まあそんな話はいいよ、ともかく俺は非常階段を下りて下界に戻った、その非常階段がくっついてるビルの入口にあるいくつかの看板を見てみたけれど、オフィスにせよバ
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