ずっと好きでいられますよう/由比良 倖
 
り方に、僕はとても感動する。

 小林秀雄はそういう中也の詩について、「日本人的な、日本人らしい詩を書いた」ということを書いているけれど、多分小林秀雄には中也のことが分からない。小林秀雄にとっては世界があることは当たり前で、生活的な文脈の中で十分生きられていて、彼は言ってみれば常識的な世界をどこまでも深めて行った人だと思うから。

 でも、中也は小林秀雄について「世間知に長けた人」と書きながら、やっぱり認めている。生きている実感の深さは、小林秀雄も中也も同じで、本気で生きているのも同じで、ただ中也の方が、世間的な世界とは全く違う世界に住んでいるという危うさを抱えているだけだと思う。世界全体
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