ずっと好きでいられますよう/由比良 倖
例えば「ヒマワリが咲いていた」と書く。でもヒマワリは今も咲いているだろうか? ヒマワリという花はそもそも明日にも存在するだろうか? そんなことが不安だった。
あるときから、今この瞬間だけ美しければいいと思うようになった。例え明日世界が、今日とは全く違う世界になっていたとしても。明日なんか来なくても。
人が人形にしか見えなかった。それなら人形を愛そうと思った。嘘でも何でもいいのだと思った。意味もなく綺麗なら、それで。
昔、ソードアートオンラインというアニメを見ていたときに、全てが仮想現実の世界の中で、主人公のキリトが草原に寝転びながら、ヒロインのアスナに「今日は空が綺麗だ。風も
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