数式の庭。原型その1/田中宏輔
 
れらの数式や図形や語群と共有する意味概念の領域が生じると考えると
それもまたひとつの世界で
わたしのなかに、あらかじめあったものでもなく
それらの数式や図形や語群のなかに、あらかじめあったものでもない
まったくあたらしい世界だ。
これは、以前のわたしの詩論の考え方だった。
あるいは、つぎのようにも考えられる。
それらの数式や図形や語群が形成する世界に
わたしが招き入れられるのだと。
それは、わたしの理解とか共感が生じたときに
それらの数式や図形や語群の世界の門が開かれて
わたしの目にそれらの世界に入るように促すのであろうと。
それはほとんど同時生起的
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