数式の庭。原型その1/田中宏輔
 
びに感じられるのである。
ときには、大いなる喜びを感じることもあるのである。
いや、それこそが、わたしにとって最上の喜びのように感じられるのである。
結びつけられた孤独の孤独さが強烈であればあるほどに。
シェイクスピアの言葉をもじって言うならば、
「その喜びこそは、最上の喜びにして、最高の悲しみ。」とでもいうものだろうか。
喜びなのに悲しいというのは矛盾しているだろうか。
だれの詩句だったろう。
「喜びが悲しみ、悲しみが喜ぶ。」と書いていたのは。
ブレイクだったろうか。
それとも、シェイクスピアだったろうか。
いずれにせよ、喜びが悲しみと結びつき、悲しみ
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