数式の庭。原型その1/田中宏輔
え方も、そうだ。
人ごとに、その人独自のニュアンスでもって見ているのだろう。
だとすれば、同じ数式の花でも
その変形や展開の仕方も、人によって違ったものに見えるということである。
数式の花でさえも、である。
ということは、
おそらく、日常、目にするもの、世のなかで目にするものあらゆるものすべて、
すべてのものが、人によって異なったものとして感じとられているということである。
目に見えるものだけではなく、感じとれるものすべてのものが
人によって違ったものに感じとられているということである。
それがそれそのものとして
絶対的に同じ印象で万人に共通した意味をも
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