許されざる者/涙(ルイ)
く環境は一変しました
実家には毎日のようにマスコミが押し寄せ
いやがらせ電話や貼り紙がひっきりなし
僕の務め先も どこで知られてしまったのか
自主退職という形の 事実上のクビを云い渡され
住んでいるアパートも 契約更新は出来ないと云われ
住む家を変えても職場を変えても
苗字を変えてみても
すぐに居場所を特定される
僕はもう 仕方のないことだと
半ばあきらめて生活するようになっていました
僕みたいなものたちは
一生世間様から後ろ指さされ
糾弾され続けて生きなければいけないのだと
隠れるように隠れるように
ひっそりと こっそりと
それこそ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)