影か揚羽か/ただのみきや
 
説明する者がいたり
「人知を超えた良き神の良き配慮」いやいや「気まぐれで残酷な神の遊び」
などと意見が分かれる始末 さらには前世の因縁 
最終的に「そもそもはじめからなにも起こっていない」
「われわれの誰も存在すらしていない」との意見が出るに至ると
結局不安と淋しさを紛らわし日々の鬱憤を晴らす程度の集まりだから
使い古した知識の千日手などすぐに飽きが来て二三の自殺者の他
なにも生み出すことはなく集まりは自然に消滅していった

長い時間が過ぎた
あの剣は今も同じ場所 往来の真中
死んだ少年の骨と癒着し一体となって地に刺さったままだった
それが何であったかを記憶している者はすで
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