水が絶えなければ循環は続いていく/ホロウ・シカエルボク
のか、俺はもうそんなことについて考えるのはとっくの昔に止めたけれど、しいて言うなら結局のところ、自分の根源がどこにあるのか知りたいのさ、川の流れを逆に辿るように、道なき道を歩けるだけ歩いて、水が湧き出る場所を探したいだけなんだ、それは本能的な欲求なんだ、けれど、本能だけではそこに辿り着くことは出来はしない、なぜだかわかるか?本能は基本的に混沌でしか在り得ないからだ、一言も発せられない正直さや純粋さだ、俺たちは血の流れを感じながら、それとまったく関係の無いような顔をして生きる、そんな面倒臭さが無ければ、永遠に辿り着けないものなんだ、それが理由としてシンプルなのか複雑なのかというところには、特別興味も
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