結果や結論に付着物など無いものだ/ホロウ・シカエルボク
 
たのだ、それはそう―奇妙な例えだが、まるで呪縛のようだった、逃げられない宿命のように付き纏っていた、それは時折とても近くにやって来ては、早かったとばかりに離れてしまうのだ、まるで、いつでも俺を食らうことが出来るのに程よく肥えるのを待っている獣のようだった、そう、確かにそいつからはどこか獣臭い、剥き出しの本能のような香りがしたんだ、最初の接近は二十代の頃だった、闇雲に文章を書き連ねていたころだ、その頃には恋人のようにずっと寄り添っているような気さえしたものだ、でもある時急にふいっと離れていった、まるで俺の運命を見限ったみたいに、それから少しの間、俺はあやふやな大地に立っているみたいに揺れながら過ごし
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