結果や結論に付着物など無いものだ/ホロウ・シカエルボク
越えてはいけない線の先の方がずっと生き易い世界だった、厳しさが両手を広げて迎え入れてくれた、妥協なんか存在しない世界、それこそが俺の求めるものだった、たった一人でその日の最良を目指して躍起になる、そんな日々に俺は夢中になった、野垂れ死ぬかもしれない未来を受け入れた時からかもしれない、そう決めたのはきっと、成功が目的ではないと自覚したからだ、何かが足りない、幼いころからずっとそう思いながら生きて来た、なにかがもの足りない、見える筈なのに見えていないものがある、そんな感じはずっと消えなかった、そして何十年経っても胸の内側を引っかき続けていた、思えば俺は、ずっとその手掛かりを気にしながら生きてきたの
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