夜明け前の雷雨/山人
 
かし、そんな努力も、生き下手な自分にとってはあまり効果など無いのかもしれない。
 苦労することやきついことをむしろ追い求めてきたのであろうか。昔から人の嫌がることは率先してやってきたが、だからと言ってとくに優遇されたわけでもなく、厭な作業を回避し、ひたすら上司に媚びを売る同僚はむしろ可愛がられ、出世していった。ただしかし、それも能力だ。私にはそれがとても厭だった。だから誰もしない作業を率先してやることで差し引きゼロなのだと思うようにしていた。のかもしれない。協調性を最も嫌い、すなわち私は駄目な奴だったのであろうか。今となってはかつての職場の同僚や知人とコンタクトをとることも全く無くなったが、それ
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