傘は要らない/ホロウ・シカエルボク
、俺は唇を曲げる、どうして彼らがその愚かさに気付けないのか俺には分からない、分かろうという気も無い、この街では俺のような人間は変異種なのだ、けれどもしかしたらそんな街の中で俺が生き続けているのは、どこかでそんな誤差を楽しいと感じているのかもしれない、愚かさは出来るだけたくさん目にした方がいいしね、反面教師ってやつさ、これをしなさいと言われるより、こういうことはしてはいけませんと見せられた方が話は早いんだ、ほら、掃除が出来ない人間が住んでいる部屋を数人のタレントが掃除して綺麗にする番組、見たことないかい?掃除をしなさい、って言われるよりもああいう部屋を見せられた方が、掃除をしなくてはいけないと思うだ
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