傘は要らない/ホロウ・シカエルボク
しい店は、扱っている商品にしてもスタッフにしてもこの街の数倍は若い、どこか余所からやって来た連中なのかもしれない、彼らが示す新しい在り方を老いぼれどもはもっと学ぶべきなのだ、空地には誰をターゲットにしているのか分からない高級マンションが立ち並ぶ、そんな建物にどこかから流れついた金持ち連中が住み着いて、いつか彼らの絶対数が原住民より多くなれば、この街の文化は大きく変わるかもしれない、逆に言えばそれ以外にはこの街が変わる可能性などない、観光業とパチンコ屋だけがいつだってホット・スポットの酒とニコチンの臭い渦巻く薄汚れた田舎町さ、目的の無い毎日を喜びと感じ、刹那的な欲望と快楽で死ぬまで時間を食い潰す、俺
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)