夏の終わりの夕陽の赤が/秋葉竹
時間だけが
音もなく
錆びついてゆく夏の終わりに
だれのことも
みあげてしまいそうになる
べつに私がダメなわけでもないのに
生きてるときって
たまぁに、そんな孤独が刺さるよね
蹴躓いては
立ち上がり
井戸に落ちては
這い上がり
薄く、輝く、三日月の
尖ったところに右手と左手をかけて
ロッククライミングみたいに
よじ登る、夜空へと
とかく立ち止まると
ろくなことが起きないのは
かつてじゅうぶんに
知らされているから
たとえそれが徒労に終わっても
被害者になんかなる気はないね
その、ろくに考えないバカさ加減を
容赦なく断罪されても
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