夏の終わりの夕陽の赤が/秋葉竹
 
 

時間だけが
音もなく
錆びついてゆく夏の終わりに

だれのことも
みあげてしまいそうになる
べつに私がダメなわけでもないのに

生きてるときって
たまぁに、そんな孤独が刺さるよね

蹴躓いては
立ち上がり
井戸に落ちては
這い上がり
薄く、輝く、三日月の
尖ったところに右手と左手をかけて
ロッククライミングみたいに
よじ登る、夜空へと

とかく立ち止まると
ろくなことが起きないのは
かつてじゅうぶんに
知らされているから
たとえそれが徒労に終わっても
被害者になんかなる気はないね
その、ろくに考えないバカさ加減を
容赦なく断罪されても
[次のページ]
戻る   Point(2)