夏の終わりの夕陽の赤が/秋葉竹
 
ても
どこも傷つかない心だけは
丁寧に
育てておいたから

弱さだとか純粋だとか
怖さだとか極寒だとか
痛さだとか絶縁だとか
暗さだとか狂気だとか

大丈夫な、音が、鳴るさ
カチッ、
って

時計の進む聴こえない音に紛れて
なにも感じない錆びた未来を
受け入れるから
カチッ、
って
カチッ、カチッ、
って不整脈なリズムで
ときを刻み込む油を差し忘れた
アナクロでにせものの機械音

みあげると
その青空もとてもおだやかな
秋めいた風に吹かれているような


やぁ、生きて来ましたねぇ、
それでも頑張ったんじゃ、ないですか?

じぶんでじぶんに問う恥ずかしさに
赤面した訳じゃないんだ
ただ、ホラ、みてご覧?
西の方に沈む夕陽が
真っ赤になって私の顔まで
染めているだけのことなんだよね







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