その腹にはいったいどんな言葉が記されているのだろう/ホロウ・シカエルボク
見慣れた街のはずだった、こんな住宅地に迷い込んだことなどこれまでなかったのだ、誰か人が歩いていれば道を訊くことも出来たかもしれないがまるで人には出会わなかった、車すら通らなかった、周囲の家も静か過ぎて、誰かがそこで生活しているのかどうか感じることは難しかった、これはほんものの街なのだろうか、思わずそんなことを考えてしまうくらいしんとした場所だった、同じような家が並んでいて、いま歩いている道がすでに歩いた道がどうか判断することも出来なかった、番地を書いた札がどこかに無いかと探しながら歩いていたが、一枚も見つけることが出来なかった、そんなことが果たして有り得るだろうか?案外俺の妄想じみた考えが正解なの
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