路地に滲む夢/ホロウ・シカエルボク
ない、俺はいつだってこんな場所に立っている、でも、だからなんだ?たとえ乞食になったって詩ぐらいは書いて居られるさ、俺には俺の人生の価値がある、低所得者同士の小競合いなんかに巻き込まれるいわれなんか無いんだ、だけど、他人を落とすことで自分が偉く見えると思ってる馬鹿なんて、どんな階層にも居るからね、まったく、反面教師にゃ事欠かないぜ、誰かが引いた線をなぞるだけの毎日なんて偉くもなんともない、どこかで聞いたような人生訓、正論も反逆の狼煙も、ものの本から借りてきたようなものばかりさ、結局のところ、それは同じところから始まっていて、同じところへ返って行くだけなんだ、昔読んだコミックで人間は猿じゃなくて恐竜が
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