路地に滲む夢/ホロウ・シカエルボク
 
はわからない、祭りとは結局のところ、つまらない毎日の捌け口を昔の優秀な権力者が設けたのだという印象しかない、数日徹底的にガス抜きを行っておけば、誰一人文句を言うこともなく代わり映えしない人生を精一杯生きる、帰り道、気まぐれに踏み入れた路地に落ちていたのは、先月で閉院した表通りの個人病院の最期の挨拶、どうしてそんなところに落ちているのかまるで見当もつかなかった、決して近い距離ではない、悪意にしては意味がない、風にでも吹かれたのだろうか、夕暮れの路地でしばらくの間そいつを見下ろしていた、平和に、暢気に暮らすことさえこの街じゃ容易じゃない、国民の為に行われているらしい政治は俺たちを幸せにしたことなどない
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