それでも私は山に向かう/山人
みがかった痒みがあちこちに感じられ、結局ひと眠りさえすることもできなかった。
午後の作業開始は、1時少し前から開始した。強烈な日照の中、足場の悪い中作業を続けたが、1時間以上作業することが困難で2時少し前に午後の1回目の休憩とした。15分後に再び作業開始。午後3時に現場を離れ、山道を作りながら車のところにたどり着いた。
流れ落ちる汗を手袋のまま拭うので、目には雑菌が入り、ぼやけるのは今に始まったことではない。息を吐き、刃の目立てをする。刃先を尖らせなければ切れ味は数段落ちてしまう。眼鏡があれば良いがこんな山林まで眼鏡は持ってきていない。かなり離して刃先を研ぐ。老眼で刃先がしっかり研げている
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