沈没船の内訳は君のように俺のように/ホロウ・シカエルボク
 

異国の船は沖の無人島の側で沈んだってノイズだらけのラジオが言ってた、本来はアウトドア用のロングチェアーにもたれながら、海水をたらふく飲んで死ぬのはどんな気分だろうと俺は考えた、大量に飲むと気がふれると聞いたことがある、だけどどうせ死んじまうんなら、正気か狂気かなんてどうでもいいことかもしれないな、そう、どうでもいい―どうでもいいことがこの世には多過ぎる、といって大事なものばかりが溢れていたとしても、そいつは結局味気ない日常の中で価値を失ってしまうだろう、人間が犯す最大の罪は無自覚に生きるということに他ならない、窓の外をヘリが何機か猛スピードで飛んで行った、何人が乗った、どれぐらいの規模の船なの
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