ピエロのナイフ/ホロウ・シカエルボク
 
、それは日常的に鼓動を聞いているせいだろう、リズムによって思考は整理されていくのだ、そしてそれがあまりにも込み入ったものになってくると人間は詩を書こうとする、未整理のまま吐き出すことによりそれは整理される、詩人たちは自分を知るために詩を書く、詩を書き、それがディスプレイに映し出されるのを見て、キーボートが立てる小さな音を聞いて、自分のリズムを知る、たったひとりで作り出すグルーブ、それが詩作だ、リズムと言葉の旋律は脳神経をトランス状態に連れて行く、俺は半ば呆けながら指先が次の言葉を描き出すのを最初の読者として眺めている、リアルタイムの自分をそこに刻み込むこと、それが俺がひたすら書き続けている理由だ、
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