しろく永い思い出/唐草フウ
 
この白い画面から
各々の人たちが夏の思い出に何色が入ってるかを見ている
あたりまえに過ごすこと 羨望で願望しかなかったこと
夏の思い出はすきじゃない

病棟へ出入りするぶ厚い自動ドアが、こどもであるわたしを吐き出す。
ひとりで緊張と退屈に向かう時間
ゲームもない時代。お金も持ってない、ポシェットにはポケットティッシュとおまもりの飴だけ、無防備な幼い体で待つ。あやとりしたり、椅子の上をゴロゴロする。
病院にはカベがあることを知る。
(きらい)

何十枚ものつらいメモ
とっておけばよかったかな
でもいつも「ごめんね」だったから言えなかった「さみしい」


海に囲まれてる
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