渇いた夢/ホロウ・シカエルボク
 
、様々な真っ黒い眼窩がこちらを見ていた、あるものは正面から見据え、またあるものは多少の興味がある、という感じで、横目で眺めていた、素人目でどうこういうことは出来ないが、おそらく本物だろうという気がした、と同時に、これが部屋全部に詰まっているわけではないだろうと思った、頭蓋骨の壁の後ろ側から、締め切られていた部屋が持つ特有の空気が流れ出してきていた、この向こうには空間があるのだ、頭蓋骨の壁に蹴りを入れると簡単に崩れた、積み上げられていただけで固定はされていなかったのだ、あらわになった部屋の真ん中に椅子が一脚あり、そこには赤いワンピースを着た少女のミイラが一体腰かけていた、天井にはやはり天窓があり、少
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